以前、自称セラピストの方からこんなことを言われました。

「セルフ・セラピー・カードって難しいですよね。」

そのとき私は

「そうかもしれませんね。」

と曖昧にお答えしましたが、心の中では唖然としていました。

確かに、セルフ・セラピー・カードを製作されたチャック・スペザーノ博士は、スピリチュアリティに傾倒している部分があります。

市販のカードですから、もちろん解説書もついています。

しかし、解説書を読むと、一見普通に書かれているように思えても、いざ自分に当てはめて考えようとしてみると、何をすればいいのか分かりません。

なぜなら、市販されているものの限界でもあるのですが、多くの人に受け入れてもらうために、ある程度内容を抽象化せざるを得ません。

抽象的になってしまうから、当てはめようとしたときに何もわからないということが起きてしまいます。

具体的に考えない人たち

私に話してきた自称セラピストの方は、おそらくカードの解説書は読まれたことでしょう。

しかし、自身の経験や、それまで関わってきたクライアントのお話から、カードが何を意味しているのか、ほとんど考えなかったのではないでしょうか。

カードの解説書さえ読めば使えるようになるのであれば、誰もがカードを買うだけで悩みから開放されるはずです。

これは、セルフ・セラピー・カードに限らず、タロットカードや他のオラクルカードと呼ばれるカード類でも同様です。

解説書に書かれていることをただ理解するのではなく、自分の経験してきたすべてのこと、得てきたすべての知識を総動員して、自分の頭で考えなければ意味はありません。

それでは、当たらない占い師と何ら変わりません。

私がセルフ・セラピー・カードを採用しているのは、スピリチュアリティに傾倒している部分を除いても、心理学に基づいている部分があり、自分の使い方次第だと思ったからです。

そういう意味では、セルフ・セラピー・カードは完璧とは言えません。

人の感情や心理的要素よりも、精神世界の概念的なものが強い部分があるからです。

とはいえ、現状ではベストの選択肢だと思うからこそ、カウンセリングのときに使っています。

クライアントのための道具

カウンセリングでは、会話の中からクライアントに対して気づきを促す手法を駆使します。

でも、言葉の受け取り方は人それぞれであり、言葉は発せられたその瞬間に消えてしまうものでもあります。

会話は、本人が聴きたい部分しか覚えていないので、後になって大切な部分だけを思い出すことは不可能です。

だから私は、動機付けのためにカードを使います。

カードの絵柄を思い出すことで、カウンセリングの内容を思い出すきっかけにしてもらうためです。

また、こころの見取図を作成するのも、クライアントさんから発せられた言葉を、可能な限り目に見える形で残しておき、後で見たときに動機づけとしてもらうためです。

そして、ご希望があれば、カウンセリングの内容を録音することもします。

自分の言葉を客観的に直接聞くことが、一番の動機づけになると確信しているからです。

カードは、あくまでもクライアントさんの動機づけにしか過ぎません。

ただし、イラストにより印象づけるという重要な役割があります。

カードの印象を残すためにも、カウンセラーである私が、自分の経験などを総動員してカードについて説明できることがとても重要になります。

その視点で見たとき

「セルフ・セラピー・カードは難しいですよね」

と言ってきた自称セラピストの方は、論外です。

人の心を扱い、人を癒そうとするのであれば、まずは自分自身と向き合い深く見つめ直すことが必要です。