結婚して、お子さんが生まれ、その成長を見ることが何よりの喜びである、それは、貴女だけでなくお子さんを持つ親御さんであれば、誰しもが感じていることです。

ただ、お子さんが成長するにつれて心配することも多くなってきたはずです。教師が児童・生徒に対していじめやセクハラをするという事件がニュースで報道され、時には、いじめが原因でお子さんが自ら命を絶つという痛ましい事件も起こっています。

いじめが問題になるとき、決って問題にされることは

  • いじめる側の子どもの問題
  • いじめを放置した学校側の問題
  • いじめが起きてしまう社会的な構造の問題

の3つではないでしょうか。しかし、これらはいずれも「外」の問題であり、解決できたとしてもそれは一時的なものでしかありません。

なぜなら、児童・生徒も先生も一定数毎年入れ替わり、小学校であれば6年、中学・高校であれば3年で、少なくとも児童・生徒は全て入れ替わってしまうからです。人が入れ替わってしまえば、全てを一からやり直す必要があります。それで根本的な解決になるとは言えません。

ドラえもんに見る「たった1つのこと」

いじめの根本的解決に繋がるたった1つのこと、それは

いじめられる側の子どもが精神的に成長し、いじめが無意味であることを気づかせること

です。この視点が欠けているためにいじめが無くならないのではないかと私は考えています。ただし、私の申し上げる「精神的成長」は、「褒めて伸ばす」などのようなものとは根本的に視点が異なります。

例えば、今でもテレビアニメとして放映されている「ドラえもん」では、ジャイアンが「いじめる側」、のび太をはじめとしてスネ夫、しずかちゃんなど周りの子どもたちが「いじめられる側」という基本的な構図があります。

のび太がジャイアンにいじめられて帰ってきたとき、のび太のお母さんはどのような反応を示していたでしょうか。

少なくとも私が記憶している限りでは、ほとんど描かれていません。物語の本筋とは異なるのでほとんど描かれていないのは当然かもしれませんが。

では、想像してみてください。

のび太のお母さんが、のび太の幼い頃から彼の「価値」を見て伝えることができていたら。のび太を一人の人間として「信頼」していることを伝えることができていたら。

そして、のび太のお母さん自身が、自らの「価値観」をしっかりとのび太に伝えて実践していたとしたら。

のび太は、お母さんの存在を親としては勿論一人の人間として尊重し、その言葉に重みを感じるようになり、自分自身を成長させることに意識を向けることができたのではないでしょうか。

それほど、母親である貴女の存在が重要な役割を持っているのです。

いじめに遭わないために大切なこと

では、根本的な解決に繋がるのは何か、いじめに遭わないために大切なことは何か、年長のお子さんを持つ貴女なら気になっていることでしょう。

根本的な解決に繋がるもの、それは

母親である貴女が変わり成長して、お子さんに対する認識を変えること

であると言えます。

メルマガをご覧になった方にはお分かりいただけていると思いますが、たとえお子さんのことであったとしても、母親である貴女がお子さんの代わりに、お子さんの人生を生きることはできません。

また、貴女が変えることができるのは貴女自身についてだけです。

お子さんを変えることはできません。躾はあくまでも社会性を身につけるためのものであり、お子さんの心の成長とはほとんど関係ありません。

つまり、母親であったとしても、貴女は貴女の人生を生きることしかできません。

大切なのは、お子さんを変えようとするのではなく、貴女のお子さんに対する認識を変えることです。遠回りなようでこれが一番の近道なのです。

貴女のお子さんに対する認識が変われば、お子さんは敏感にそれを感じます。お子さんも最初は疑うかもしれませんが、あなたの態度も変わっていることに気づき、お母さんである貴女をより信頼するようになります。

そして、お子さんが変わり始めます。

私を変えた祖母・母親の「在り方」

祖母の壮絶な生き様に学ぶ

プロフィールにも書いていることではありますが、私は小学校入学当初から泳げないことでいじめに遭っていました。

私はそのことを家族に告げられず、家に帰ると祖母に甘えている、体は大きいが気の弱い子どもでした。

私が小学校3年生となった年の秋、祖母が亡くなります。それまで祖母に甘えきっていた私は、どうしたらいいのか途方に暮れる日々でした。

亡くなる前からも、母親は祖母について多くのことを語ってくれていましたが、そのことが私の心の中へ徐々に沁み入り、祖母について考えることが増えるようになりました。

祖父は、地元で知られた資産家で、第二次世界大戦中にあっても、地域の人たちに田畑の耕作を依頼して報酬を支払うなど、絶大な信頼を得ていました。母親も「お嬢様」として育ちました。

第二次世界大戦が終了して間もないころ、祖父が若くして亡くなってしまいます。その相続に関して、信頼して任せていた親類に騙されて財産を悉く奪われてしまい、祖母は家を追い出されてしまいました。

そんな状況であっても祖母は文句一つ言わず、昼夜問わず働きに働いて、数年後、母親が高校生になるときに小さな平屋の家を建てました。これには母親も驚いて、一瞬言葉を失ったそうです。

その後も、母親を含む4人の姉妹を育て上げるため必死に生きた祖母。

私は、母親から祖母の話を聞いているうちに、こう思うようになりました。

「おじいちゃん、おばあちゃんの名に恥じない、「さすがあの方のお孫さんだ」と言われる生き方をしよう」

祖母譲りの「胆力」の備わった母親

こうした話をしてくれた母親も、祖母譲りの芯の強さ「胆力」の備わった女性です。

私の父親は、金銭面で問題を起こす人でした。昔で言うサラ金から借金をして、その取り立てに業者が来たこともあります。知人からも「生活が苦しいから」と嘘をついてお金を借り遊興費に使ってしまう、そんな人でした。

母親は、取り立てにきた業者にも面と向かって啖呵を切り、説得して帰らせた一方、父親の知人に対しては誠実に謝罪をして返済をしていました。その知人は、母親の誠実さに感銘を受け、半分ほど返済したところで終わりにしてくださったそうです。

私がいじめに遭っていたことが分かったときも、母親は、学校や担任の先生と冷静に話し合いをし、私のために学校や担任の先生が何をしてくれるのかが分かるまでは、決して引かない中途半端を許さない態度を示してくれました。

母親が人の悪口を言っているのを、私は見たことがありません。

「言霊」という言葉がありますが、「口汚い人は信頼できない」というのが母親の価値観です。これはほんの一例ですが、こうした価値観は、私に大きな影響を与えていることは事実です。

貴女の価値観がお子さんを変える

私のことは、一例にすぎないかもしれません。

とはいえ、貴女にとって大切なことも数多く含まれているのではないでしょうか。

私が変わろうと決めたのも、祖母や母親の価値観、「在り方」について考えるようになったからです。祖母や母親から怒られたからではありません。

それほど、親の「在り方」は子どもに影響を与えるものです。貴女は、母親として、そして一人の人間としての「在り方」を考えてみたことがありますか?

もし無かったのであれば、その事実をまずは受け入れてください。

ここにたどり着いたということは、その事実を受け入れて、現実を変えるために前へ進むときが来ていることを示しているのではないでしょうか。