こんなお話を伺うことがあります。

「上司は、私たち部下の意見なんて聞いてない!いつも余計なことばかりやらせるから、仕事が進まなくて仕方ないよ!」

「部下たちは自分たちの都合ばかりを言ってくるけど、それじゃあ何か事が起こったときに対応できないんだよ!」

上司と部下の対立はいつの世にもあることです。

一見、いずれの意見も至極当然のことのように思えますが、どちらも「自分の立場」からしか物事を見ていないという点では「五十歩百歩」であるということができます。

では、なぜこのような対立が起こってしまうのでしょうか?

組織が成り立つために大切なこと

部下の言い分を簡潔にするとこうです。

「業務は効率的にすべきであって、形式的な手続など不要だ」

一方、上司の言い分を簡潔にするとこうです。

「会社として正式な手続を経たものでなければ外部へ出すことなどできない」

どちらも会社という「組織」を動かすために大切なことでしょう。

業務を効率的にして個人の能力を十分発揮することができること

会社という大きな組織を動かすためには対外的な「大義名分」が必要となること

とはいえ、上司と部下との関係が対立的になってしまうのは、そこに「感情」が絡んでくるからです。

部下が感じているのは「焦り」そして「怖れ」です。

自分の業務が進まず遅れてしまうと、会社内の手続が遅れて取引先に影響が出てしまう。そうすると、クレームを出されることになり自分の評価にも悪影響が出てしまう。

では、上司のほうは何を感じているのでしょうか。

もしかしたら、あなたは「怒り」であると思うかもしれませんが、それは、半分あたりで半分外れです。

「怒り」という感情は、本当に感じているものを相手に知られたくないための「カモフラージュ」として使われる感情であり、もちろん本当に感じている「感情」は、怒っている本人も意識できていないことが多いものです。

なので、「怒り」という表面的な感情そのものを扱うことはあまり意味がありません。

 

上司が感じているのも「焦り」そして「怖れ」です。

正式な手続を踏ませていないと上役や役員からその理由を詰問される、万が一、たとえ小さなものでも不備が見つかろうものなら、その対策案を役員に提示するために1日の大半の時間を使ってしまい、自分の業務なんてできない。

立場は違っても、感じていることに違いはありません。

「役割」と「感情」は別にする

会社という組織の中では、役職名を問わず必ず「上司」と「部下」という「役割」が生まれます。

役割分担をし、責任の所在を明確にするからこそ組織は機能するということには一理あります。

ただし、役割を担う人の感情まで配慮することは実質的にはとても難しいものです。

なぜなら、組織は人が入れ替わっても機能するように設計されているため、個人の感情まで配慮することは想定されていないからです。

メンタルヘルスの重要性が認識されつつありますが、それはあくまでも「不満を聞いてあげることで精神的負荷を軽減する」程度の対処療法的なものでしかありません。

だからこそ、役割と感情を明確に区別することが大切になってきます。

組織の中で動くときは、役割を優先せざるを得ません。そこに個人的な思想・信条が入り込む余地はほとんどありません。

役割でしていることを感情で判断するのではなく、役割は役割としてとらえることが大切になってきます。

それが、メンタルヘルスを保つためのコツです。

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