セルフ・セラピー・カード、15番目のカードは「主導権争い」です。

人が2人いれば、その関係は、あるときは一方が上で他方がしたとなり、別のときは他方が上で一方が下になる、という関係にあります。

私たちは、友達であれば「対等な関係性」であり、上司・部下であれば「上下関係」にあると思いこんでいますが、それは大きな誤りです。

特に、男女関係においては、お付き合いをし始めた当初「2人は一つ」という気持ちが強くなっていますから、何をするにも2人で一緒に行動することもあるでしょう。

しかし、時が経てば変わっていくのです。

「対等な関係」というものは存在しない

先程も申し上げたように、私たちは、2人の人間がいると「対等な関係」なのか「どちらが上でどちらが下なのか」というように判断をしがちです。

しかし、その関係性は、ある一つの場面を切り取って、その場面の中でしか通用しないルールであって、関係性は場面ごとに変わっていく相対的なものです。

友達であれば、感覚的には「対等な関係」であるということもできるかもしれません。

あなたもそう思っていることでしょう。

でも、考えてみてください。

会っておしゃべりをしているとき、単なる世間話でさえも、一方がテレビや雑誌などをよく見ているため世情に詳しく、他方はそこまで関心がないので「そうなんだ〜」と言って聞いている。

つまり、特定の場合や話題というように範囲を狭めていくと、関係性の優劣は、時計の振り子のように移り変わっていきます。

その移り変わりは何度となく行われているので、私たちは、友達だと「対等な関係」であると思いこんでしまうのです。

友達など、心理的距離に比較的余裕のあるときは、振り子の行き来はさほど問題になりません。日常的に共有する時間も限られていますから。

問題は心理的距離の近い男女関係においてです。

「二人のやり方」を見出すことができるかが鍵

お付き合いを始めた当初は、お互いのすべてが魅力的に感じられるので、「あばたもえくぼ」の言葉の通り、些細な事は気になりませんし、意見の相違も許容することができます。

しかし、お互いの存在が「当然」に思い始め、一時の情熱から少し冷め始め、自分の普段の生活とバランスが取れるようになってくると、「主導権争い」が始まります。

「連絡ができない」

「約束を直前でキャンセルしなければならない」

など、2人にとって不都合な突発的な事情が一方に起こったとき、理由を知らない他方は一方の行為を疑い始めるようになります。

一度湧き上がってしまった「疑い」は、簡単に消えません。

最初は、理由を聞いたときに「仕方ないかな」と思って許すこともできるでしょう。

しかし、何度も繰り返されるようになると、「疑い」を持ち続けたままお付き合いすることになり、二人の間に埋められない「溝」ができるようになってしまいます。

どちらが悪いということではありません。

2人が、いずれも「自分のルール」に沿って行動しているから、ズレが生まれるのです。

一方は、「あとで連絡すれば済むこと」という「自分のルール」を押し付け、他方は「何かあったときはすぐに連絡すべき」という「自分のルール」を曲げられない。

どちらも「自分のルール」に囚われてしまっています。

関係性をいい状態のまま継続していくためには、「自分のルール」を手放して、新たに「二人のルール」を創っていくことが大切です。

押し付けるのでもない、我慢するのでもない、時と場合に合わせて柔軟に変えていくことのできる「二人のルール」を創っていく、その気持ちがない限り相手を変えても同じことが繰り返されるでしょう。

あなたは、いつ「自分のルール」を手放しますか?