セルフ・セラピー・カード、27番目のカードは「手放す」です。

「手放す」という言葉をよく聞きませんか?

カウンセラーやスピリチュアル系の人たちも、よくこの言葉を使っています。「手放せばいいものが入ってくる」「宇宙は心の隙間を作るのを放っておかない」など、一見「そうだよね」と思ってしまいそうになります。

私も、心理学や心理療法を学ぶ中で、周囲のカウンセラーたちがしきりにそう言っているのを聞いていました。当時は違和感なく聞いていたのですが、今思うと違和感がありすぎて仕方がありません。

というのも、クライアントの立場からすると、イメージワークなどをしてみても一向に手放した感がなく、自分が本当に手放して前に進んでいるのかどうか確認できません。なので、こう思っているはずです。

「一体どうしたら手放せるんだよ!!」

手放そうとする時に大切なこと

ハッキリ言ってしまうと、イメージワークが有効なのは、自分自身あるいは自分以外の誰かと対話して置き忘れた感情に気づくことを促す場合です。

例えば、エンプティ・チェア(空椅子の技法)は、まさにイメージワークの代表例です。

夫が妻との関係性を取り戻したいと思って妻をイメージする、社長が従業員の本当の気持を知りたくて従業員をイメージする、そして、相手になりきって自分自身へ語りかける時ある種のカタルシスが起き、気づきが訪れます。

では、手放そうとしているのは何でしょうか?

それは、あなた自身の誰かに対する「未練」「後悔」「懺悔」「執着」などではありませんか?

あなた自身の感情を擬人化することもできるでしょう。ただ、その感情と対話したところで、手放せない感情を強化することにはなっても、手放す方向へ向かうことは一層難しくなるでしょう。

人の心は、空虚になることを極端に怖れます。

ギャンブルやお酒、買い物に「依存」してしまうのは、その「空虚さ」を認識してしまうと自分自身が壊れてしまうと思いこんでいるからです。

だからこそ、代わりになるものが必要になります。

あなたが本当に得たいものは何ですか?

手放すものの代わりに、あなたの心を埋めるもの。

それは、あなたが本当に得たいものです。

ブランド物の洋服とか、何億円の豪邸とか、そういう話をしているのではありません。あなたが真に在りたい姿、あなたが心から信頼できる人たちとの関係、そういうことを言っています。

心は部屋の掃除とは違います。

本当に得たいものがあるからこそ、必要ないものを手放すことができます。本当に得たいものへ向かうエネルギーがあるからこそ、必要ないものとの鎖を断ち切ることができます。

そこをしっかりと認識していないと、「手放せます」という甘い言葉に振り回されて、無駄な時間を過ごしてしまうことになります。

あなたはもう、そこから抜け出すときが来ています。