仕事をしているとこんな場面に出くわすことがあります。

「上司の言っていることがわかりにくくてしょうがない」

「アイツの話は長すぎて、何が言いたいのかさっぱりわからないよ」

私も以前そんな経験をしたことがあります。事務所の先輩社員の言っていることが的を射ていない、民間の会社に勤務していたときも同僚の話が長すぎて困った、などなどです。

本人は重要なことを話しているつもりでも、そこまでに辿り着く前置きがあまりにも長いために、意図が伝わらないのです。

相手の現実を見、相手に合わせる

私がいた弁護士の世界において、「法律用語」を使うことは日常茶飯事でした。

一般の企業においても、その会社でしか使われない隠語というものがありますが、弁護士の世界ではそれが極端になっていると思って間違いありません。

法律を学んだことのない依頼者からすれば、法律用語を使われたところで何のことを言っているのか分かりません。

そこを噛み砕いて説明するのが、弁護士の本領を発揮する一場面でもあります。

私がいた事務所のボス弁は、それがとても上手な方でした。

もう弁護士としては一線を退かれてはいますが、しっかりと依頼者にわかりやすく説明できていたので、事務所をたたむことになっても依頼しようとする方からの連絡が数多くありました。

なぜ、そうできるのかを尋ねたことがあり、そのときボス弁はこう言いました。

「弁護士の仕事は半分以上人生相談なんだよ。そこから依頼者の状況を読み取って、依頼者に合わせて伝えることが大事なんだよ」

まさしく、カウンセラーやセラピストに求められる重要な要素の一つです。

しかも、一般のカウンセラーやセラピストなどとは比較にならないほど、その人の人生に介入することになる弁護士ですから、酸いも甘いも知った上で状況に対処しなければなりません。

そんなボス弁と過ごした月日は、今の私にとって大きな財産になっています。

伝え方一つで印象は大きく変わる

例えば、昨日起こった築地場外市場で起こった火事ですが

「7件もの店舗が火事で全焼した」と言うのと

「場外市場にある数百軒の店舗の内7件のみが焼けました」と言うのとでは印象が大きく変わります。

火事に遭われた方には心からお見舞いを申し上げますが、火事になった店舗だけを見るのか、全体の一部としてみるのかによって情報だけを受け取っている人にしたら大きな違いになってきます。

ある人にとっては「重大な悩み事」なのに、こちらから見たら何でもない悩みに見えるからと言って、「気にすんなよ」と言ってしまうのはあまりにも粗野な言葉の選び方です。

その人の視点に立って、気持ちを考えた上で言葉を選ぶ、当たり前のように思っていることが、実は全く出来ていないということはよくある話です。

だからこそ、相手を見、言葉を選ぶことの重要性をもう一度考えなければならないのです。

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