新潟市で小学生の女の子、大桃珠生(たまき)さんが殺害され、線路上に放置されるという痛ましい事件が起こりました。

珠生さんのご冥福を祈り、ご家族の皆さんにお悔やみの言葉を送るとともに、一日も早い犯人の逮捕を願うばかりです。

このニュースに衝撃を覚えた親御さんも多いのではないでしょうか。

「うちの子どもがそんな状態にされたらと思うと・・・」

思ってしまわずにはいられない心境になるでしょう。

おそらく、こうした痛ましいニュースが流れると多くの家庭では

「知らない人に声を掛けられたら相手にしちゃダメ」

「捕まりそうになったら、防犯ブザーを鳴らすんだよ」

というようにお子さんへ注意を促されたのではないでしょうか。それは当然しておくに越したことはありません。

ただ、親御さんであるあなたの真意は、お子さんに届いているのでしょうか。

大切さを伝えていますか?

お子さんに注意をうながすとき、あなたはちゃんと理由を伝えていますか?

もしかしたら、理由をこう伝えてはいませんか?

「知らない人に連れて行かれるとひどい目に遭うかもしれないから」

「連れて行かれちゃったら、もうお母さんや友達とも会えなくなっちゃうから」

その理由自体は間違ってはいません。

間違ってはいませんが、それはただの「状況説明」にしかなっていないことに気づいていたでしょうか?

「ひどい目に遭う」「会えなくなる」

そうなってしまうのは誰か。もちろんお子さんです。日本語は曖昧な言葉なので、主語がなくても通じますが、あえて主語を入れると

「(お子さんが)ひどい目に遭う」

「(お子さんが)会えなくなる」

でも、親御さんであるあなたが話しているのに、主語が「お子さん」では、そこにミスマッチが生じて、思いが伝わらなくなってしまいます。

伝えたい思いとは何でしょうか?

お子さんは、あなたにとってかけがえのない宝物なのではありませんか?

ですから、理由を伝えるとしたら、こう言うべきなのです。

「あなたが知らない人に連れて行かれて、ひどい目に遭っていると思うと、【お母さんは】本当に悲しくて仕方ないの。」

「あなたが知らない人に連れて行かれて、もう会えなくなってしまったら、【お母さんは】死んじゃいたくなるくらい辛くて仕方ないの。」

お子さんが、あなたにとってどれだけ大切で、かけがえのない存在なのかがお子さんに伝わってはじめて、注意をうながすことになります。

言い続けていますか?

不審な人に気をつけることを、お子さんに対して言い続けるのではありません。

お子さんに対して、あなたがどれだけお子さんのことを大切に思っているのかを、言い続けていますかと聞いているのです。

「自分のことを親は大切に思っている」

このことが、後にどれだけ支えになることか私は身を持って知っています。

心が折れそうになっても、自分ではどうにもならない状況に追い込まれたとしても

「自分が倒れてしまったら、親がどれだけ悲しむだろうか」

と思うと、何とか踏ん張ることができるものです。最後の一歩を踏み外さずに済むのです。

「子どもの幸せを願わない親はいない」

ごく一部の例外を除いて、これは時代を問わず変わらない原理・原則のようなものです。

ただし、現代の親御さんは、周りの都合ばかりを強調するあまり、ご自身の気持ちをまっすぐにお子さんに伝えていない傾向にあります。

勉強をするとき、何度も繰り返し問題を解かなければ、答えに繋がる方法を知ることができません。

同じように、お子さんに対して、飽きられるくらいに同じ言葉を繰り返し伝えなければ、お子さんの心には決して残らないことでしょう。

まして、命の危険にさらされる場合があると、真摯な思いと伝えるのであれば尚更です。

ですから、普段のお子さんに対する言動を振り返ってみてください。

あなたがどのように思っているのか、「私」が主語になっていなければ、伝え方を変えることも必要でしょう。

あなたの言葉が、お子さんを守るのです。